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光計測シンポジウム2018 講演要旨

光計測シンポジウム2018 講演要旨

講演時間・講演名・講演者 要旨
午前の部  

 10:00~10:20
『偏光カメラによる微分干渉コントラストビデオ顕微鏡』

  大谷幸利(宇都宮大学)

 バイオイメージングにおいて生きたままでかつ動的に内部情報を得たいという要求がある.微分干渉コントラスト顕微鏡は,わずかな屈折率差や微小段差を観察する有力な手法である.ここでは偏光カメラを導入することで,リアルタイムのビデオ計測を可能にした.さらに偏光カメラの空間分解能悪化要因を異なるピクセル偏光子をフーリエ面上で偏光解析することで画像を補正した動的計測を可能としたので報告する。

 10:20~10:40
『焦点距離可変レンズ「TAGLENS(タグレンズ)」』

  長濱龍也(㈱ミツトヨ)
 TAGLENSは、機械的な駆動機構を用いず瞬時に焦点距離を変更することができる焦点距離可変レンズです。例えば、このレンズを顕微鏡や自動検査装置に組込んだ場合、立体物の全焦点画像を得る、任意の高さにおけるセクショニング画像を取得する、三次元形状を取得する等の超高速、高精細な非接触検査ソリューションをご提供することが可能になります。本講演では、TAGLENSの原理や特長、また、アプリケーション例を中心にご紹介をいたします。 

  10:40~11:00
『マッハ・ツェンダー干渉計による多層構造の光ファイバ屈折率分布測定』

  北川克一(技術コンサルント)

 マッハ・ツェンダー干渉計とアーベル変換による光ファイバの屈折率分布測定において,新しい逆アーベル変換アルゴリズムを提案する。
 軸対称な屈折率分布モデルを仮定し,そのアーベル変換により求められる光路差と,観測された光路差データとを最小二乗適合し,モデルに含まれる未知パラメータを推定する.屈折率分布モデルとして,多項式近似が有効である.本手法は,フーリエ変換のような複雑な計算が不要で,アルゴリズムも簡明である。また,多層構造の光ファイバにも適用が可能である.計算機実験と実試料実験により,提案手法の妥当性を確認した。 

 11:10~11:30

『内面形状計測装置の改良と応用例』

  吉澤 徹
 (NPO法人 三次元工学会)


 

 

 我々はパイプなどの管状物体の穴径あるいは内面形状の測定を非接触で行うプローブの開発と改良を行ってきた。
そうした場合の問題点と具体的な改良点を報告するとともに,最近の実際的な応用事例からいくつかを引用して述べる。
  11:30~11:50

『LEDライダーによる狭隅角での波浪挙動観測』

  椎名達雄(千葉大学)

 

 

  自動操縦の流れは自動車だけでなく、船舶に関しても同様に進化・発展している。そのため波浪情報は航行の燃費、安全性の観点からも重要な海洋情報となる。カメラや目視による把握は定量性にかける。前方の定量的な波浪情報が得られれば、海洋状況の把握だけでなく、操舵へのフィードバックが実現でき、安全性の確保や将来の自動操舵へも有効である。
本研究では前方波浪の計測を目的とした波浪用 LED ライダーの開発を行っている。本研究では狭隅角での波浪計測手法を確立し、時系列データとして得たライダーエコー波形から波浪の挙動を解析した。本報告では波浪の挙動に応じたライダーエコーの現れ方と状況の把握に主眼を置き、実験結果を考察する。

 11:50~12:10

『高精度非接触ラインスキャナと多関節アーム測定機を使用した測定事例』

  江原史和(㈱小坂研究所)

 
 三次元測定機、とりわけアーム式三次元測定機の先端部に非接触ラインスキャナを取付けて使用する事例が増えている。また、金型測定等の光沢物の測定は従来から非接触式の測定機で課題となっている。これらの課題を解決し、更に近年の高精度化の要求に対応する為の高精度非接触ラインスキャナ「ApiScan」の紹介と、アーム式三次元測定機の優位性を生かしたシステムを実際の測定事例を基に紹介する。
午後の部  
 13:30~13:50

『スペックル干渉計測法を用いたレンズの回折限界を超えた三次元形状計測法』

  新井泰彦(関西大学)

 本研究では,従来粗面を持つ三次元物体の変形計測技術として用いられていたスペックル干渉計測法を用いて,測定対象に横ずらしの変位を意図的に与えることによって,計測に使用する対物レンズの回折限界を超えた周期構造を持つ回折格子の微細形状計測が可能な三次元物体に対するスペックル干渉計測法の測定原理に従った,新たな形状計測技術を提案する。

 13:50~14:10
『非破壊・非接触の高速計測・検査ツール ナノ3D光干渉計測システムのご紹介』

  柳川香織
 (㈱日立ハイテクノロジーズ)

 光干渉方式を用いた表面形状計測技術は、長い年月を経て信頼された実績を誇り、これまでも様々な機器で採用されてきました。本講演では、この「光干渉方式」をベースとした、「非接触での表面形状計測」と「非破壊での膜厚測定」という二つの機能を統合したナノ3D光干渉計測システムをご紹介します。

14:10~14:30
『スペクトル制御干渉法(SCI)による精密計測への新展開』

  佐藤 敦
 (キヤノンマーケティングジャパン㈱)

 スペクトル制御干渉法(SCI)は、光学部品の検査で普及しているフィゾー型レーザー干渉計の課題を克服した画期的な干渉法です。平行平面板やプリズム等の干渉計測における複数面からの反射(干渉縞)の回避や、複数面の同時計測、球面の曲率半径の計測、3次元計測プローブへの応用など、今後の様々な新展開が期待されます。
本講演では、米国ÄPRE(アプレ)社が製品化しているSCI光源と、そのアプリケーションを中心に紹介します。

14:30~14:50
『高さ分解能0.1nmを有する光ヘテロダイン計による表面粗さ計測』

   藤田宏夫(㈲フジ・オプトテック)

  周波数の異なる(f1,f2)2本に分離したレーザ光を音響光学素子で作成・集光してサンプル表面に照射し、反射光から差周波数(f1-f2)のビート信号を検出する光ヘテロダイン干渉計で、照射位置毎の2ビームスポット光間の光路差をビート信号の位相変化として検出する。光の位相変化を0.1度精度で検出することで、高さ分解能0.1nmが得られる。本計測は半導体、ナノカーボン、ガラス、精密加工部品などの表面粗さ測定に有効である。
 15:00~15:20
『正弦波周波数または位相変調による2次元変位・形状計測干渉計』

  明田川正人(長岡技術科学大学)
  

 半導体レーザの注入電流を正弦波状に変調することにより、その中心周波数を正弦波状に変調可能である。また半導体レーザのビームを電気光学素子(EOM)を透過させEOMに正弦波状の電圧を印加することで透過ビームの位相を正弦波状に変調可能である。
この講演では、上の2個いずれかの光源を用いた2次元変位・形状計測干渉計に関し述べる。時系列の画像処理により、位相同期検波装置(ロックインアンプ)を用いないで2次元変位・形状計測を行う手法に関し理論実験で検討したので報告する。

 15:20~15:40
『正弦波位相変調法を使用した2波長干渉計』

  青戸智浩(㈱東京精密)
 レーザー干渉計で大気揺らぎ誤差を低減するため、2波長干渉計の開発を行った。

2波長干渉計では、A係数によって、周期誤差が増大するケースがあるが、正弦波位相変調法を用いて、これを克服する技術を開発した。結果として、測定光路全体で、大気揺らぎ分布に変動がある状況で、
単一波長レーザー干渉計よりも良い性能が得られた。
OPTICS EXPRESS 16024 Vol. 23, No. 12(2015)

  15:40~16:00
『パルス列繰返し間隔長を用いた長さ計測における干渉縞信号分析の技術開発』

  榎 健太(長岡技術科学大学)
  
  
  2009年、日本の計量法に定められた長さの国家標準(特定標準器)がフェムト秒光周波数コム(以下、光周波数コム)へと変わった。光周波数コムの繰返し周波数と隣接したパルス繰返し間隔長(adjacent pulse repetition interval length,APRIL)との積は真空中の光速度となる。メートルは真空中の光速度で定義されている。繰返し周波数が安定していれば、APRILもメートルの実現に応用できる。本研究はAPRILを用いた長さ計測を実現すべく、干渉縞信号処理の進捗状況について報告する。